「抗原特異的T細胞の製造方法」が特許登録
東京大学医科学研究所は7月24日、中内教授等の研究によって発明された「抗原特異的T細胞の製造方法」が7月19日付けで特許登録されたことを発表した。
今回、特許に登録された技術は、T細胞の中でも、特にウィルスや腫瘍由来の抗原ペプチドを攻撃する細胞障害性T細胞(以下、CTL)からiPS細胞を経て、ヒトT細胞と同じTCR遺伝子の再構成パターンを持つT細胞がより多く体内に出現するようにするというもの。
これまで、がん治療でもT細胞を用いた治療法が開発されているが、患者の体外で採取した患者のT細胞を加工、培養するために機能性が落ちてしまう課題があった。
iPS細胞化にすることで「若返った」T細胞を量産
東京大学医科学研究所の開発した製造方法は、1度、CTLをiPS細胞化にすることにより、CTLの抗原特異性を保持した機能性の落ちていない「若返った」T細胞を作ることができるため、より治療効果に期待できるという。
また、特許については、ブライトパス・バイオ株式会社(以下、ブライトパス・バイオ)の子会社である株式会社アドバンスト・イミュノセラピーが独占的実施権を持つ。
ブライトパス・バイオは、この「抗原特異的T細胞の製造方法」の世界初の応用を目指してきた。新たながん免疫細胞療法につながるとしている。
(画像は東京大学医科学研究所HPより)

東京大学医科学研究所 プレスリリース
http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/files/170724.pdf