プラズマ活性溶液治療で生存期間が有意に延長
名古屋大学は7月21日、プラズマ活性溶液を用いた卵巣がんの新たな治療法の研究成果を発表した。
名古屋大学では、以前から、独自に開発した超高密度プラズマ発生装置で作成したプラズマ活性溶液を用いた脳腫瘍、胃がん、卵巣がんの治療研究を実施。すでに、抗腫瘍効果を示したことを発表している。
プラズマは、個体、液体、気体に継ぐ第4の状態であるとも言われ、このプラズマを照射することで、がん細胞の細胞死を誘引、また皮膚や傷病の治癒や再生を促す効果が認められており、現在、世界中でプラズマを用いた医療応用について研究が進められている。
また、プラズマ活性溶液は、このプラズマを照射した溶液で、培養液にプラズマを照射すると様々な生理学的応答を示すことが知られている。
新たな治療法の確立を目指して
今回、マウスを用いた実験で、卵巣がん腹膜播種モデルを作成、プラズマ活性溶液を腹腔内に投与したところ、播種の進展を抑制することを新たに発見。プラセボ群と比較して、生存期間の延長が有意に認められたという。
名古屋大学では、このことから、プラズマ活性溶液の腹腔内投与治療が播種性のがんに有効である可能性があるとして、新たな治療法を確立したいとしている。
また、今後も臨床応用を目指し、現在培養液に変わる新たなプラズマ活性溶液も開発中だ。
(画像はプレスリリースより)

名古屋大学 プレスリリース
http://www.nagoya-u.ac.jp/