ナノキャリアが米国にて開発している薬剤
ナノキャリア株式会社は、7月19日、同社が開発中の「NC-6300(エピルビシンミセル)」が、米国FDAよりオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)の指定を受けたと発表した。
「NC-6300」は、希少がんである軟部肉腫を対象として同社が米国にて開発している薬剤。同社は2016年12月、軟部肉腫を対象とする第1/2相臨床試験の治験計画届書をFDAに提出していた。
軟部組織に発生する悪性腫瘍、軟部肉腫
軟部肉腫は、脂肪・筋肉・血管などの軟部組織に発生する悪性腫瘍であり、世界的に希少がんの1つとして認識されている。米国国立がん研究所によると、米国における同疾患の成人新規発症患者数は、一年あたり約12000例だという。
「NC-6300」は、がん細胞内へ取り込まれた後に内包した薬物を放出する性能が付加された、pH応答性のミセル化ナノ粒子製剤。同剤は、日本国内で実施された第1相臨床試験にて、「エピルビシン」特有の副作用である嘔吐や骨髄毒性などについて低減傾向が認められた。また、通常の「エピルビシン」投与量より高用量での投与が可能であることも、明らかになっている。
日本発のミセル化ナノ粒子技術を用いた新薬を
オーファンドラッグ指定は、希少疾病に対する新薬開発を促進するために、FDAが与えるもの。同指定を受けると、7年間の排他的先発販売権が与えられると共に、米国政府からの補助金や、治験実施計画書の審査に対しての優遇措置などが受けられる。
ナノキャリアは今後も、日本発のミセル化ナノ粒子技術を用いた新薬を患者へ届けるべく、一日でも早い承認取得に向けた活動を積極的に推進するとしている。
(画像はナノキャリアの公式ホームページより)

NC-6300 米国FDAのオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)指定に関するお知らせ - ナノキャリア株式会社
http://pdf.irpocket.com/C4571/GEqq/F5Ba/myL8.pdf