同学医療センター教授と北大学教授が共同で
東邦大学は、7月19日、同学医療センター大森病院皮膚科・石河晃教授と北海道大学病院皮膚科・清水宏教授のグループが、表皮水疱症患者に対する再生医療製品を使った臨床試験を開始したと発表した。
治療法の開発が望まれていた表皮水疱症
表皮水疱症は、厚生労働省の難病に指定されている遺伝性の疾患。同疾患患者は、先天的に皮膚が脆弱となる。また生後早期から全身、中でも機械的刺激部位において、わずかな外力により水疱・びらん・潰瘍を形成する。
日本における同疾患の患者数は、平成6年厚生省(当時)稀少難治性皮膚疾患調査研究班の全国調査によると、推定500~640人とされる。治療は現在のところ、創傷被覆材による皮膚保護、痒みや疼痛を抑えるための対症療法のみであり、治療薬は存在しない。有効な治療薬や治療法の開発が望まれていた。
他家幹細胞より7型コラーゲンなどを供給
同研究グループが今回実施する試験は、健康なドナーの脂肪組織由来の間葉系幹細胞を含んだ再生医療製品を、表皮水疱症患者の潰瘍部位に貼付するという治療法についてのもの。
同治療法では、遺伝的に7型コラーゲンが欠損あるいは極端に不足している同疾患患者の患部へ、7型コラーゲンや皮膚形成を促進する各種成長因子などを他家幹細胞より供給する。
この治療法は、潰瘍治癒の促進と症状の軽快につながる手法として、期待されているという。
(画像は東邦大学の公式ホームページより)

表皮水疱症(難病性稀少疾患)の再生医療製品による臨床試験開始 - 東邦大学
http://www.toho-u.ac.jp/press/2017_index/20170719-795.html