がん細胞の増殖に重要な役割を果たすMELK
オンコセラピー・サイエンス株式会社は、7月13日、同社が新規抗がん剤として開発を進めているMELK特異的阻害剤について、物質特許が日本にて登録されたと発表した。
MELKは、がん細胞の増殖およびがん幹細胞の形成と維持に重要な役割を果たすことが報告されている分子。
新規抗がん剤標的分子と同定された分子
MELK(maternal embryonic leucine zipper kinase)は、中村祐輔研究室のゲノム包括的遺伝子解析によって、新規抗がん剤標的分子と同定された分子。
このMELKは、乳がんや肺がんなどを含む多くのがん種において、発現が亢進していることが確認されている。そして、正常な組織での発現はほとんどない。そのため同分子に作用する薬剤は、多様ながん種に適応でき、副作用のリスクが非常に低いと考えられている。
オンコセラピー・サイエンスは、MELKに対して極めて高い阻害活性を有する低分子化合物「OTS167」を同定。同化合物は、顕著な腫瘍増殖抑制効果を示すことが確認されている。
現在、米国で臨床試験を実施中
オンコセラピー・サイエンスが開発している「OTS167」は、現在、急性骨髄性白血病に対する臨床試験が、米国シカゴ大学において実施されている。また、トリプルネガティブ乳がんを含む乳がんを対象とする経口投与での第1相臨床試験も、米国コーネル大学および米国テキサス州立大学MDアンダーソンがんセンターにて開始されている。
同社はMELK特異的阻害剤について、米国・シンガポール・オーストラリアにて既に対応特許を登録。今回の日本における物質特許の登録は、それらに続くものとなる。
(画像はオンコセラピー・サイエンスの公式ホームページより)

MELK 特異的阻害剤の特許登録に関するお知らせ - オンコセラピー・サイエンス株式会社
http://www.oncotherapy.co.jp/