3つの核酸デリバリーシステム「NanoFect」
ナノキャリア株式会社は、7月10日、核酸医薬のデリバリーに適用可能なキャリアに関する物質特許出願について、日本国特許庁より特許査定を受けたと発表した。
この技術は、同社の次世代型プラットフォーム技術。今回の特許査定により同社は、3つの核酸デリバリーシステム「NanoFect」シリーズについて、国内における権利を確保した。
核酸医薬品の課題を克服
ナノキャリアは、今回特許査定を受けた核酸デリバリー技術を含める形で、核酸医薬品の課題を克服するシステム「NanoFect」を確立した。
「NanoFect」は、これまで困難であった核酸医薬のデリバリー技術の開発を目指し、同社と東京大学大学院・片岡研究室が共同で実現したもの。抗がん作用を有するsiRNAなどの核酸を用いて薬効評価試験を積み重ねた後、特徴の異なる3つのシステムの開発に成功している。
同システムは、体内では壊れやすい核酸を、確実に標的細胞へ届けることを可能にした。また、異なるシステムを持つことで、様々な変化への対応も目指している。
革新的な核酸医薬品開発に向けて
今回特許査定を受けたナノキャリアのデリバリー技術は、同社がアキュルナ株式会社に対して用途を限定した実施権を許諾しているシステム。ナノキャリアは現在、別の「NanoFect」システムを用いた研究を実施しており、革新的な核酸医薬品開発に向けて中外製薬との共同研究も行っている。
同社は今後も、「NanoFect」技術を基にして医薬品開発も推進するとしている。
(画像はナノキャリアの公式ホームページより)

核酸デリバリー技術に関する物質特許 日本における特許査定のお知らせ - ナノキャリア株式会社
http://pdf.irpocket.com/C4571/GEqq/tYbm/tocm.pdf