仏イプセン社より導入している薬剤
帝人ファーマ株式会社は、7月3日、先端巨大症および下垂体性巨人症治療剤「ソマチュリン皮下注120mg」について、追加承認を取得したと発表した。
同剤は、帝人ファーマが仏イプセン社より導入している薬剤。今回の承認は、膵・消化管神経内分泌腫瘍(以下「NET」)を効能・効果とするもの。
薬剤の選択肢が限られていたNET
NETは、ホルモンを分泌する神経内分泌細胞より発生する悪性腫瘍。膵臓や小腸・直腸などの消化管に発生するNETには、ホルモンの過剰分泌を促すタイプもあり、低血糖や消化性潰瘍、重度の下痢といった症状を引き起こす場合がある。
膵・消化管NETの治療としては、腫瘍切除が第一選択とされている。しかし、手術が困難な場合や、手術後に腫瘍が残った場合には、薬物治療が必要となる。
薬物治療では、ソマトスタチンアナログ製剤が第一選択として用いられるが、日本国内においては抗腫瘍効果で膵NETに使用可能なソマトスタチンアナログ製剤が存在しない。消化管NETも1剤のみであり、薬剤の選択肢が限られていた。
2016年7月に効能・効果追加請が行われていた
イプセン社は、欧州14カ国において「ソマチュリン」の「CLARINET」試験を実施。帝人ファーマも日本国内において、同剤の第2相臨床試験を実施。これらの試験の結果に基づき、同剤の効能・効果追加申請が2016年7月に行われていた。
今回の追加承認取得により「ソマチュリン」は、日本で初めての膵NETを適応症に持つソマトスタチンアナログ製剤となる。
(画像は帝人ファーマの公式ホームページより)

「ソマチュリン皮下注120mg」が膵・消化管神経内分泌腫瘍への効能・効果の追加承認を取得 - 帝人ファーマ株式会社
http://www.teijin-pharma.co.jp/