ライセンス契約を締結している小野薬品が発表
小野薬品工業株式会社は、7月6日、米アレイ バイオファーマ社(以下「アレイ社」)がMEK阻害剤「binimetinib」とBRAF阻害剤「encorafenib」の新薬承認申請をFDAに提出したと発表した。
小野薬品は本年5月、アレイ社との間で「binimetinib」と「encorafenib」に関するライセンス契約を締結している。今回の申請は、BRAF遺伝子変異陽性の切除不能または転移性進行期悪性黒色腫を適応とするもの。
低分子MEK阻害剤と低分子BRAF阻害剤
MEKとBRAFは、MAPKシグナル伝達経路における重要なプロテインキナーゼ。この経路は、増殖・分化・生存・血管新生を含む重要な細胞活性を調節することが示されているもの。悪性黒色腫・結腸直腸がん・甲状腺がんといった多くのがんでは、この経路におけるタンパク質の不適切な活性化が生じる。
「binimetinib」は、後期臨床段階にある低分子MEK阻害剤。「encorafenib」は、後期臨床段階にある低分子BRAF阻害剤。共に、MAPKシグナル伝達経路の重要な酵素を標的とする。
無増悪生存期間の有意な延長を示した
今回アレイ社が提出した承認申請は、第3相COLUMBUS試験のデータに基づくもの。同試験において「binimetinib」と「encorafenib」投与群は、「ベムラフェニブ」投与群と比較して無増悪生存期間の有意な延長を示したという。
小野薬品は、アレイ社との間で締結したライセンス契約に基づき、日本および韓国にて両剤を開発および商業化する権利を取得している。
(画像は小野薬品の公式ホームページより)

アレイ社、進行期悪性黒色腫についてbinimetinibおよびencorafenibの新薬承認申請をFDAに提出 - 小野薬品工業株式会社
http://www.ono.co.jp/jpnw/PDF/n17_0706_2.pdf