盲検を解除、オープンラベルでの試験を継続
大日本住友製薬株式会社(以下、大日本製薬)は6月26日、現在実施している開発中のがん幹細胞性阻害剤ナパブカシンの胃、衝動胃接合部腺がん患者を対象とした臨床試験で、盲検を解除したことを発表した。
盲検は、測定や診察、評価に主観を取り除くために行われる試験で、患者のみが投与されている薬剤について知らない場合を単盲検試験と呼ばれ、医師、患者共に知らされない場合を二重盲検比較試験と言われている。
大日本製薬が実施している試験は、ナパブカシンの安全性と有効性を確かめる二重盲検での国際共同試験で、ナパブカシンとweeklyパクリタキセルの併用とweeklyパクリタキセル単独投与とを比較。
その中間解析の結果、独立データモニタリング委員会からナパブカシンの安全性について懸念は認められないとしたものの、ナパブカシンがプラセボ群に対して全生存期間の有意な延長が見込める可能性が低いとの勧告から、今回、盲検での試験を解除しオープンラベルでの試験を継続することとなったとしている。
結腸直腸がん、膵がんを適応とした早期の承認を目指す
ナパブカシンは大日本住友製薬子会社のボストン・バイオメディカル社が創製した新しい作用機序を持つ低分子経口剤。
現在、その他に結腸直腸がん、膵がんについても臨床試験を実施中だ。大日本住友製薬は、この2つのがんを適応とした早期の承認を目指すとしている。
(画像は大日本住友製薬株式会社HPより)

大日本住友製薬株式会社 ニュースリリース
http://www.ds-pharma.co.jp/ir/news/pdf/ne20170626.pdf