変形性膝関節症を適応症として開発
生化学工業株式会社は、 6月16日、関節機能改善剤「SI-613」の米国における第2相臨床試験を開始したと発表した。
同剤は、変形性膝関節症を適応症として同社が開発を進めている薬剤。
関節機能改善効果と鎮痛・抗炎症作用を併せ持つ
変形性膝関節症は、膝関節内の軟骨が摩耗が原因で炎症や痛みが生じる疾患。軟骨が擦り減ると、骨と骨が直接接触するようになるため、関節を動かしたときに強い痛みが生じる。発症には、加齢・肥満・外傷・過度な運動・遺伝的素因などの関連が考えられている。
「SI-613」は、ヒアルロン酸および非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を、生化学工業独自の薬剤結合技術を用いて化学結合した薬剤。ヒアルロン酸による関節機能改善効果と、徐放されるよう設計されたNSAIDの鎮痛・抗炎症作用を、併せ持つ。
同剤は、変形性関節症に見られる強い痛みや炎症を、速やかかつ持続的に改善することが期待されている。また、注射剤として関節腔内に直接投与するため、全身血流への移行が少なく、副作用も軽減されると考えている。
日本では第3相臨床試験が実施中
生化学工業は、運動器疾患における製品ラインナップ拡充を、研究開発基本方針において重点領域と設定。今回の米国における第2相臨床試験開始により、「SI-613」の開発を加速させ、健康で心豊かな生活の向上に貢献することを目指すとしている。
なお日本において「SI-613」は、2017年2月より変形性関節症を対象とした第3相臨床試験が実施されている。
(画像は生化学工業株式会社の公式ホームページより)

関節機能改善剤SI-613の米国における第2相臨床試験開始に関するお知らせ - 生化学工業株式会社
http://ir.seikagaku.co.jp/