承認申請に向けた第2相臨床試験の結果
MSD株式会社、6月12日、抗PD-1抗体「キイトルーダ」の進行胃がん患者に対する単独療法の新しいデータが、2017年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会にて発表されたことを明らかにした。
この発表は、米メルク社が米国東部時間6月4日に発表したリリースを翻訳したもの。学会発表されたのは、同剤の単独療法における承認申請に向けた第2相臨床試験の結果。
ゆっくりと進行する胃がん
胃がんは、胃において発生し、複数年にわたってゆっくりと進行するがん。そのほとんどは腺がんであり、胃の最も内側の層の細胞から発生する。危険因子としては、性別や年齢、人地域やヘリコバクター・ピロリ菌への感染などが挙げられている。
「キイトルーダ」は、日本においては2017年2月15日に発売が開始された薬剤。国内販売開始に際しては、根治切除不能な悪性黒色腫およびPD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんの効能・効果で、承認を取得している。同剤は、米国を含む50カ国以上でも承認を取得。現在も世界では、500以上の臨床試験において30種類以上のがんの検討が行われている。
今後も承認取得を目指す
今回ASCOにおいて発表された「キイトルーダ」のデータは、既治療例の進行胃がんまたは食道胃接合部腺がん患者を対象とする第2相臨床試験KEYNOTE-059における、コホート1のデータ。前治療歴が2回以上の患者に対する同剤の全奏効率は11.6%であり、PD-L1陽性患者ではより高い奏効率が認められたという。
メルク社は今後も、2次治療以降の化学療法後に進行・再発した胃がんまたは食道胃接合部腺がん患者に対する治療薬として、同剤の承認取得を目指すとしている。
(画像はMSDの公式ホームページより)

キイトルーダ 既治療例の進行胃がん患者に対する単独療法の新しいデータを2017ASCO年次総会で発表 - MSD株式会社
http://www.msd.co.jp/