病態を表す鍵となる分子をヒトで検出
順天堂大学は、6月2日、パーキンソン病の病態を表す鍵となる分子をヒトで検出したと発表した。
この成果は、同学大学院医学研究科・神経学の服部信孝教授、パーキンソン病病態解明研究講座の今居譲先任准教授らの研究グループによるもの。
神経変性が起こるドーパミン神経
同研究グループは今回、若年性遺伝性パーキンソン病の2つの原因遺伝子であるPINK1とParkinが協働して作るリン酸化ユビキチンの鎖が、パーキンソン病患者iPS細胞由来のドーパミン神経細胞および患者脳において、異常な挙動を示すことを明らかにした。
ドーパミン神経は、パーキンソン病において神経変性が起こる神経。この神経が変性すると、手足の震えや筋肉の硬直、姿勢制御の障害といったパーキンソン病で見られる運動機能障害を誘発する。
効果的な早期予防を実現すべく研究を進める
リン酸化ユビキチン鎖は、細胞内において損傷ミトコンドリアのオートファジーによる除去のために作られる。パーキンソン病患者のドーパミン細胞の内部では、この仕組みがうまく働いていないことが、今回の研究で初めて立証されることとなった。
同研究グループは今後、損傷ミトコンドリアを除去する実行因子であるParkinのスイッチを操作する方法を開発し、パーキンソン病の効果的な早期予防を実現すべく研究を進めるとしている。
(画像はプレスリリースより)

パーキンソン病の病態を表す鍵となる分子をヒトで検出 - 順天堂大学
http://www.juntendo.ac.jp/