切除不能な肝細胞がん患者が対象
エーザイ株式会社は、6月5日、同社創製の抗がん剤「レンバチニブ」について、臨床第3相試験の結果を第53回米国臨床腫瘍学会年次総会にて口頭発表したことを明らかにした。
今回発表されたのは、全身化学療法歴のない切除不能な肝細胞がん患者を対象に、「ソラフェニブ」を対照薬として実施された臨床第3相試験の結果。
新規結合型チロシンキナーゼ阻害剤「レンバチニブ」
「レンバチニブ」は、エーザイが創出した新規結合型チロシンキナーゼ阻害剤。腫瘍血管新生あるいは腫瘍悪性化に関与する受容体型チロシンキナーゼに対して、選択的阻害活性を持つ。
同剤は、甲状腺がんについての適応で米国・日本・欧州など50カ国以上で承認を取得。米国・欧州などでは、腎細胞がん(2次治療)に対する「エベロリムス」との併用療法についても承認も取得している。
さらに、腎細胞がん(一次治療)を対象とした「エベロリムス」あるいは「ペムブロリズマブ」との2つの併用療法についても、臨床第3相試験が進行している。
主要評価項目を達成した
肝がんは、がん関連死亡原因の第2位にランクし、世界で年間75万人が死亡している疾患。早期段階では多くの治療選択肢が存在するが、切除不能な肝細胞がんの場合は治療薬が限られており、アンメット・メディカル・ニーズが高い疾患となっていた。
今回の発表によると、同試験における「レンバチニブ」は全生存期間について、「ソラフェニブ」に対する統計学的な非劣性を、全身化学療法としては初めて証明。主要評価項目を達成したとしている。
(画像は写真素材 足成より)

レンバチニブの肝細胞がんを対象とした臨床第3相試験結果を米国臨床腫瘍学会年次総会にて口頭発表 - エーザイ株式会社
http://www.eisai.co.jp/news/news201726.html