安全性と有効性を評価
第一三共株式会社は、6月6日、抗HER2抗体薬物複合体「DS-8201」の第1相臨床試験における中間結果を、米国シカゴにて開催されている米国臨床腫瘍学会で発表したことを明らかにした。
同試験は、複数のHER2発現がん患者を対象として、日本と米国において同剤の安全性と有効性を評価するもの。
薬物をがん細胞へ直接届ける
第一三共は、日本のがん領域ラボラトリーと米国プレキシコンの強力な研究体制を通じて、がん領域の開発パイプラインの拡充を推進。合計20以上の新規の低分子医薬、抗体医薬および抗体薬物複合体を保有しており、そのうちのひとつが「DS-8201」だ。
「DS-8201」は、固形がんを目標適応とする抗HER2抗体薬物複合体。抗体薬物複合体は、抗体医薬と薬物を適切なリンカーを介して結合させた医薬群のことを指す。がん細胞に発現している標的因子に結合する抗体医薬を介し、薬物をがん細胞へ直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えつつがん細胞への攻撃力を高めている。
安全性と有効性が示唆されたと判断
「DS-8201」の第1相臨床試験は、HER2陽性乳がん、HER2低発現乳がん、HER2陽性胃がん、HER2発現固形がんの患者を対象に実施された。
第一三共は、同試験の中間結果においてその安全性と有効性が示唆されたと判断。現在は、HER2陽性転移性乳がんおよびHER2陽性胃がんにおける同剤の有効性と安全性を評価する第2相臨床試験の準備を進めている。
(画像は第一三共の公式ホームページより)

DS-8201第1相臨床試験の中間結果について - 第一三共株式会社
http://www.daiichisankyo.co.jp/news/detail/006642.html