国内における独占的な開発権および販売権を取得
キッセイ薬品工業株式会社は、6月9日、補体C5a受容体阻害剤「アバコパン」に関する技術導入契約を、スイスのビフォー・フレゼニウス・メディカル・ケア・リーナル・ファーマ社との間で締結したと発表した。
同剤は、腎領域などにおける希少疾患治療薬。今回の契約によりキッセイ薬品は、日本国内における同剤の独占的な開発権および販売権を取得した。
免疫反応や感染防御に関与する補体
補体は、血液中に含まれ、様々な免疫反応や感染防御に関与するタンパク質。多くの種類があり、一般的には補体の英語表記「complement」の頭文字をとって「C」で表される。
補体のうちC5aは、好中球などを炎症部位に呼び寄せるケモカインとして作用する性質を持つ。C5aRの阻害は、血管を傷つける好中球などの働きを抑え、抗炎症作用を発揮すると考えられている。
「アバコパン」は、好中球をはじめとする白血球などに存在するC5a受容体を阻害し、白血球の遊走や、接着分子の発現誘導を妨げる。
希少疾患治療に対する取り組みを一層強化
「アバコパン」のターゲットのひとつであるANCA(抗好中球細胞質抗体)関連血管炎は、厚生労働省特定疾患に指定されている難治性炎症疾患。多くの場合、壊死性糸球体腎炎を呈する。
キッセイ薬品は今回の契約締結により、「アバコパン」の日本国内における開発を行い、製造販売承認取得後は独占的に販売する。同社は今後も、希少疾患治療に対する取り組みを一層強化するとしている。
(画像はキッセイ薬品の公式ホームページより)

補体C5a受容体阻害剤「アバコパン」に関する技術導入契約締結のお知らせ - キッセイ薬品工業株式会社
http://www.kissei.co.jp/news/2017/20170609-772.html