「BAVENCIO」、一般名は「アベルマブ」
ファイザー株式会社とメルクセローノ株式会社は、6月1日、米国食品医薬品局(FDA)が「BAVENCIO(一般名:アベルマブ)」注射剤を、進行性尿路上皮がん(主に膀胱がん)の治療薬として承認したと発表した。
この発表は、独メルク社および米ファイザー社が5月9日発表した英語版プレスリリースを翻訳したもの。
腫瘍細胞を抗腫瘍反応にさらさせる
「BAVENCIO」は、ヒト型PD-L1(プログラム死リガンド)阻害抗体。
同剤は、PD-L1に結合する作用により、腫瘍細胞が白血球からの防衛のためにPD-L1を利用することを不可能化。腫瘍細胞を抗腫瘍反応にさらさせることで、治療効果を発揮する。これまでは、成人および小児の転移性メルケル細胞がん治療薬として、FDAの迅速承認を取得してきた。
今回同剤についてFDAが承認したのは、プラチナ製剤を含む化学療法での治療中または治療後に病勢進行が認められたか、あるいはプラチナ製剤を含む化学療法を使用した術前補助療法もしくは術後補助療法から12カ月以内に病勢進行が認められた局所進行性・転移性尿路上皮がんについての適応。
業界トップクラスの患者アクセスを提供
局所進行性・転移性尿路上皮がんは、治療が進歩しているにもかかわらず、予後は依然として不良である場合が多い。尿路上皮がんの9割を占める膀胱がんは、米国では6番目に多いがんであり、転移した場合の5年生存率は約5%となっている。
なお独メルク社と米ファイザー社は「BAVENCIO」について、業界トップクラスの患者アクセスおよび保険償還サポートを提供するとしている。
(画像はファイザーの公式ホームページより)

FDA、進行性尿路上皮がんの治療薬としてBAVENCIOを承認 - ファイザー株式会社
http://www.pfizer.co.jp/