世界有数の研究機関、ブロード研究所
エーザイ株式会社は、5月31日、新規抗マラリア薬開発に向けた新たな共同研究契約を、米ブロード研究所との間で締結したと発表した。
ブロード研究所は、ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学の共同研究施設であり、ゲノム医学における世界有数の研究機関。新薬開発は、2016年に共同研究チームが見出した創薬ターゲットに基づき行われる。
推定死亡者数約43万人のマラリア
マラリアは、蚊に媒介されてマラリア原虫が人に感染する寄生虫症。致死性が高く、2015年においてもその推定死亡者数は約43万人に達する。死亡者の多くは、アフリカの子ども達であるという。
現在の抗マラリア薬はその大半が、赤血球内においてマラリア原虫が増殖する血液期に作用する。そのため、肝臓期や伝播期を含む原虫の全ライフステージにおいて作用する薬剤の開発が求められていた。
さらにマラリア原虫は、抗マラリア薬に対してやがて耐性を持つ。新規作用機序を持つ薬剤の開発も、喫緊の課題となっている。
全ライフステージに作用する薬剤につながる可能性
エーザイとブロード研究所の抗マラリア薬開発プログラムは、2014年9月に両者が締結した契約により開始された。
共同研究では、有望な候補化合物群を見出して最適化を実施。この候補化合物群は、マラリア原虫の血液期・肝臓期・伝播期に作用するという性質が確認されており、全ライフステージに作用する薬剤につながる可能性があるとしている。
(画像は写真素材足成より)

新規抗マラリア薬開発に向けてブロード研究所と新たな共同研究契約を締結 - エーザイ株式会社
http://www.eisai.co.jp/news/news201723.html