グリオブラストーマ動物モデルスタディに関するもの
MediciNova, Inc.(以下「メディシノバ」)は、6月6日、米国臨床腫瘍学会(ASCO)2017年次総会において実施した「MN-166」に関する発表の要旨を明らかにした。
この学会発表は、「MN-166」のグリオブラストーマ(神経膠芽腫)動物モデルスタディに関するものであり、現地時間6月5日午後に行われている。
急速に周囲の脳組織に拡がる脳腫瘍
グリオブラストーマは、脳グリア細胞から発生して急速に周囲の脳組織に拡がる脳腫瘍。進行が非常に早く、また致死性も非常に高い疾患であり、全脳腫瘍の15%、グリオーマ(神経膠腫)の55%近くを占めるとされる。患者の予後は、現在の様々な技術をもってしても、わずかな改善がみられるに過ぎない。
「MN-166」は、日本と韓国においては喘息および脳梗塞発作後の症状の治療薬として、既に25年以上使用されている薬剤。同剤は、炎症促進作用のあるサイトカインなどの阻害、グリア細胞の活性化減衰、そしてある種の神経症状を緩和する作用を持つことがわかっている。メディシノバは同剤を、進行型多発性硬化症およびALS、薬物依存などの神経症状の治療薬として開発している。
併用治療群では中間生存期間を延長
メディシノバはASCO2017において、グリオブラストーマ動物モデルスタディから得られた「MN-166」のポジティブな結果について、発表を行った。「MN-166」を加えた併用治療群では、中間生存期間が延長したという。
同社は今後、再発グレード4グリオブラストーマを適応とする同剤の第2相臨床治験に向けて、準備を進めるとしている。
(画像はメディシノバの公式ホームページより)

米国臨床腫瘍学会2017年次総会における学会発表要旨のお知らせ - MediciNova, Inc.
http://www.medicinova.jp/pdf/irnews/06062017_1.pdf