スギ花粉症の新たな免疫療法を開発
九州大学大学院医学研究院は5月26日、スギ花粉症の新たな免疫療法を開発したことを発表した。
スギ花粉症は国民病とも言われ、日本人の約3割が罹患している。現在、その治療法としては、抗ヒスタミン薬やステロイド薬などでの症状を軽減する対症療法と、免疫療法を用いた根治治療が行われている。
しかし、定期的にスギ花粉を体内に取り入れる免疫療法は2年以上続けることが重要とされ、短期間に効果的な治療法はまだないのが現状だ。
短期間、季節限定の服用で効果
九州大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科学の中川教授らの研究グループは、2010年から研究を進め、スギ抗原ーガラクトマンナン複合体を用いて腸管免疫を利用した免疫療法を開発、治験を実施してきた。
新たな免疫療法としてカプセルに、このスギ抗原ーガラクトマンナン複合体に取り入れ、花粉の飛散する前と最も飛散する約2ヶ月間服用することで、目の痒みの軽減することが確認できたという。
短期間、季節限定の服用で効果があることの他に、重篤な副作用がないことも大きな特徴だとしている。
また、最新の研究では標準治療薬と比較して、約6割も抗アレルギー薬を減らせる効果もあることが認められたという。
同研究グループは、市販するまでには内服量、投与期間など改善する点があるが、アレルギー疾患の治療にも応用できる可能性があるとしている。
(画像はプレスリリースより)

九州大学大学院医学研究院 研究情報データベース
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