プロテアソーム阻害剤「カイプロリス」
小野薬品工業株式会社は、5月18日、プロテアソーム阻害剤「カイプロリス点滴静注用 10mg」「同40mg」(以下「カイプロリス」)について、国内製造販売承認事項一部変更の承認を取得したと発表した。
この承認は、「再発または難治性の多発性骨髄腫」に対する用法・用量追加についてのもの。
骨髄腫細胞の機能的細胞死を誘導
「カイプロリス」は、小野薬品が2010年9月に米国Onyx Pharmaceuticals Inc(現Amgen社)より導入した、高い選択性を有するプロテアソーム阻害剤。
プロテアソームは、細胞内に存在する酵素複合体。ポリユビキチン化されたタンパクを分解し、細胞の増殖・分化および機能的細胞死を制御する作用を持つ。「カイプロリス」は、このプロテアソームを阻害することで、骨髄腫細胞の機能的細胞死を誘導する。
適正使用に必要な措置を講じる
多発性骨髄腫は、骨髄中にある形質細胞の異常により発症する血液がん。治療法は複数存在しますが、難治性の病状に移行する場合も少なくない。新たな治療薬の開発が期待されていた。
小野薬品は、「カイプロリス」についての今回の承認条件に従って、製造販売承認後の使用成績調査(全例調査)を実施。安全性および有効性に関する臨床データを収集し、適正使用に必要な措置を講じるとしている。
(画像は小野薬品の公式ホームページより)

「カイプロリス」、多発性骨髄腫に対する製造販売承認事項一部変更承認取得 - 小野薬品工業株式会社
http://www.ono.co.jp/jpnw/PDF/n17_0518.pdf