難病ADPKDの治療薬として
大塚ホールディングス株式会社は子会社の大塚製薬株式会社(以下、大塚製薬)が、常染色体優性多発性のう胞腎(以下、ADPKD)を対象としたトルバプタンの第3相臨床試験の結果を発表した。
トルバプタンは、大塚製薬が創製した利尿薬。2010年10月に「サムスカ」の製品名で、他の利尿薬で効果不十分な心不全における体液貯留を適応として国内で承認された水利尿作用を持つ選択的バソプレシンV2ー受容体阻害剤だ。
海外でも2009年に米国と欧州において低ナトリウム血症の治療薬として承認されている。
また、2014年には腎機能の指標であるeGFR産生を抑制する作用から、ADPKDの腎のう胞の増殖、増大を抑制するため難病とされるADPKDの世界初の治療薬として承認を得ている。
米国での承認を目指しFDAと協議
大塚製薬は、2013年8月に米国食品医薬品局(FDA)から、ADPKD治療薬としてトルバプタンの審査完了通知を受け、再申請のために追加試験を実施してきた。
今回の試験は、米国でのADPKD治療薬として新薬承認の申請を目的として、トルバプタンの有効性と安全性を検討。
1,370名の患者を対象にプラセボ対照で実施したところ、トルバプタン投与群はプラセボ投与群と比較して、有意にeGFRの低下を抑制したことが認められたという。
大塚製薬は、主要評価項目、副次的評価項目共に達成したとして、申請に向けてFDAと協議を行う予定だとしている。
(画像は大塚製薬株式会社HPより)

大塚製薬株式会社 ニュースリリース
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