米国イーライリリーが4月24日に発表
日本イーライリリー株式会社は、5月9日、乳がん患者を対象とする「アベマシクリブ」第3相試験の中間解析において、無増悪生存期間の主要評価項目が達成されたと発表した。
この発表は、米国イーライリリーが現地時間4月24日に発表したリリースを翻訳したもの。
がん細胞の増殖制御が目的
「アベマシクリブ」は、現在治験が進行している経口細胞周期阻害剤。サイクリン依存性キナーゼCDK4およびCDK6を特異的に阻害することで、がん細胞の増殖制御を目的としている。
サイクリンD1/CDK4は乳がんにおいて、網膜芽細胞腫タンパク質(Rb)のリン酸化・細胞増殖・腫瘍増殖を促進することが示されている。ホルモン受容体陽性乳がん細胞株では、「アベマシクリブ」による持続的な標的阻害によって、Rbのリン酸化が減少し、細胞周期停止が誘導された。
米国食品医薬品局(FDA)は2015年、進行または転移性乳がんの女性患者を対象として「アベマシクリブ」を「Breakthrough Therapy Designation」に指定している。
世界中の患者に医薬品を提供
「アベマシクリブ」第3相試験であるMONARCH3試験は、ホルモン受容体陽性(HR+)ヒト上皮増殖因子受容体2陰性(HER2-)の進行乳がん患者を対象として実施された。主要評価項目は、無増悪生存期間。同剤は、統計学的に有意な改善を見せ、主要評価項目を達成したという。また、主な副次的評価項目である奏効率についても、改善が認められたとしている。
同社は今後も、がんと共に生きる世界中の患者に、医薬品を提供するとしている。
(画像は日本イーライリリーの公式ホームページより)

乳がん試験におけるアベマシクリブ第3相試験の中間解析で、無増悪生存期間の主要評価項目を達成 - 日本イーライリリー株式会社
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