販売はMTファーマ アメリカが行う
田辺三菱製薬株式会社は、5月8日、同社が創製した「ラジカヴァ」について、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を適応症とする承認を米国食品医薬品局(FDA)より取得したと発表した。
なお、米国における同剤の販売は、同社の販売子会社であるMTファーマ アメリカが行う。
筋力低下や筋萎縮の進行を遅らせる効果
ALSは、運動神経が選択的に変性・消失し、全身の筋力低下および筋萎縮が生じる、原因不明の神経変性疾患。米国においては、毎年5000人から6000人が同疾患と診断されている。
「ラジカヴァ」は、日本においては2001年4月に脳梗塞急性期の治療薬として厚生労働省より承認されている薬剤。脳虚血に伴い発生するフリーラジカルを消去し、脂質過酸化反応を抑制する薬効を持つ。そしてこの薬効により、虚血領域あるいはその周囲の神経細胞を保護する作用を有する。
ALSの病態においても、フリーラジカルは上昇する。「ラジカヴァ」は、このフリーラジカルを消去することで運動神経を酸化ストレスから保護し、ALSにおける筋力低下や筋萎縮の進行を遅らせる効果を有すると考えられている。
必要とする全ての患者に届ける
「ラジカヴァ」が今回取得したFDA承認は、田辺三菱製薬が日本においてALSの効能追加承認取得の際に評価された臨床試験結果に基づくもの。同試験のデータでは、比較的軽度なALS患者に同剤を6か月間投与したところ、プラセボ投与時と比較して、日常生活動作障害の進行が約33%抑制されたことが示されている。
同社は今後も米国において、「ラジカヴァ」を必要とする全ての患者に同剤を届けることができるよう努めるとしている。
(画像は田辺三菱製薬の公式ホームページより)

新しいALS治療の選択肢を ALS治療薬「ラジカヴァ」の米国FDAによる承認取得について - 田辺三菱製薬株式会社
http://www.mt-pharma.co.jp/