2021年までに、バイオ医薬品生産規模を現在の3倍以上に
第一三共株式会社(以下「第一三共」)は4月27日、抗体薬物複合体(以下、「ADC」)の生産体制拡充に向けて、新たに設備投資を行うと発表した。
ADCは抗体医薬と低分子医薬を結合させた医薬品で、主にがん治療目的で開発されている。
初期投資は約150億円で、ADCフランチャイズの治験薬安定供給を通じた開発加速、及び将来的な製品の安定供給の確保に向けた投資で、がん領域事業の強化につなげる動き。
同社は、グループ企業の国内3工場でADCの生産ラインを順次増設。今回の計画により、2021年までにバイオ医薬品の生産規模を現段階の3倍以上に拡大する予定だ。
ADCフランチャイズ6品目のうち、臨床開発段階は2品目
第一三共のADCフランチャイズには6品目あり、いずれも同社が独自に開発したADC技術が活用されている。現時点で臨床開発段階にあるのは、DS-8201、U3-1402の2品目。また、前臨床開発段階にあるのは、DS-7300、DS-1062、その他2品目で計4品目。
臨床開発段階2品目のうち、DS-8201は現在日米の両国で、HER2陽性胃がん、HER2陽性乳がん、HER2低発現乳がん、HER2発現固形がんの患者を対象に、第1相臨床試験パート2(症例拡大試験)を行っており、HER2陽性転移性乳がんについて米国FDAより優先承認審査指定を受けている。
また、HER3に対するADCであるU3-1402は、現在HER3陽性の難治性転移性乳がん患者を対象に、第1相臨床試験を実施中である。
(画像は第一三共株式会社ホームページより)

第一三共株式会社 ニュースリリース
http://www.daiichisankyo.co.jp/news/detail/006624.html