慶大・ミシガン大・シカゴ大の研究チーム
慶應義塾大学は、4月21日、米国ミシガン大学およびシカゴ大学と共に、乳幼児期の腸内細菌叢の成熟化が腸管感染抵抗性に重要であることを明らかにしたと発表した。
この知見は、慶大・ミシガン大・シカゴ大のメンバーを中心とする研究チームの成果。
腸管病原菌に感染しやすい乳幼児
乳幼児は、腸管病原菌に対して感受性が高く、感染しやすいことが知られている。しかし、その詳細なメカニズムについては、未だ不明な点が多かった。
そこで同研究グループは、腸内細菌を全く持たない無菌マウスを無菌環境下で飼育し、メタボローム解析技術を駆使。乳幼児の腸管感染に対する高い感受性は、乳幼児の腸内細菌叢が未成熟であることに起因することを明らかにした。またこの高い感受性が、クロストリジウム目菌群の欠如によることも解明している。
さらに同研究グループは、乳幼児の未成熟な腸内細菌叢から産生される代謝物質が、クロストリジウム目菌群の腸内での増殖を促進し、腸管感染抵抗性をもたらされることも発見した。
予防・治療法開発など臨床応用に期待
同研究グループはこの知見について、乳幼児の腸管感染抵抗性を強化すべく、腸内細菌叢をターゲットとした新たな予防・治療法開発などの臨床応用が期待されるものとしている。
なお同研究成果は、米国東部時間の同日付で、国際学術誌『Science』電子版に掲載された。
(画像はプレスリリースより)

腸内細菌叢の成熟化が乳幼児期の腸管感染抵抗性をもたらすことを発見 - 慶應義塾大学
http://www.iab.keio.ac.jp/2017/04211457.html