群馬大学の研究グループが発表
群馬大学は、4月11日、全身性強皮症に伴うレイノー現象・手指潰瘍に対して、B型ボツリヌス毒素局所注入療法が良好な治療効果を示したと発表した。
この研究を実施したのは、同学大学院医学系研究科皮膚科学・石川治教授らのグループ。同研究グループによるとボツリヌス毒素は、レイノー現象や手指潰瘍に対して治療薬となる可能性があるという。
新たな治療法が切望されていた
レイノー現象は、寒冷刺激や精神的ストレスによって手指の血流障害が生じ、手指の色調が白から紫、そして赤へと変色する現象。多くの全身性強皮症患者において初発症状として出現し、長時間にわたって疼痛や痺れをもたらす。
疼痛や痺れは、同疾患患者の日常生活に対して著しい影響を及ぼし QOLの低下も招く。また、同疾患において血流障害が進行した場合、治療が困難な潰瘍が手指に生じる。確立された治療法は存在せず、新たな治療法が切望されていた。
高い有効性・安全性を示す結果
同研究グループは今回、レイノー現象や手指潰瘍を持つ全身性強皮症患者に対して、B型ボツリヌス毒素局所注入療法の安全性・有効性を検討。結果、同療法によってレイノー症状の重症度と痛みが改善され、手指潰瘍の縮小および治癒がみられたという。
同研究グループはこの成果を、同療法の高い有効性・安全性を示すものとして、新たな治療法となる可能性が期待されるとしている。
(画像は群馬大学の公式ホームページより)

B型ボツリヌス毒素局所注入療法、レイノー現象・手指潰瘍に対して良好な治療効果 - 群馬大学
http://www.gunma-u.ac.jp/