新規患者登録の再開を決定
ナノキャリア株式会社は、4月20日、膵がんを対象とした「NC-6004」の第3相臨床試験を再開したと発表した。
同試験は、日本およびアジア地域において、同社と台湾Orient Europharma社と共同で実施しているもの。今回、同試験における新規患者登録の再開を決定している。
「シスプラチン」をミセル化した新しい治療薬
「NC-6004」は、幅広いがん種の標準治療薬である抗がん剤「シスプラチン」をミセル化した、新しい治療薬。
「シスプラチン」は、高い抗腫瘍効果を持つものの、激しい副作用があることが知られていた。最も深刻なものは腎不全などの腎臓機能障害であり、その対応のため、投与の際には患者の入院が余儀なくされる。また、悪心・嘔吐などの消化器症状も強かった。
ナノキャリアでは、「シスプラチン」が持つこれらの副作用を軽減し、かつ抗腫瘍効果の増強も期待できる新薬の開発を目指し、「NC-6004」を調製。薬物の徐放性、がん組織への蓄積性、腎毒性の軽減および神経毒性の軽減を実現している。
患者の安全性に配慮すべくプロトコールを変更
同剤の第3相臨床試験は、患者の安全性に配慮すべく、専門家の意見を踏まえてプロトコールの変更が検討されていた。
4月19日、第三者機関であるデータ安全性モニタリング委員会は、変更されたプロトコールの内容が適切である旨を通知。この通知を受けて、今回の試験再開は決定されている。
(画像はナノキャリアの公式ホームページより)

NC-6004の膵がんを対象とした第3相臨床試験の再開に関するお知らせ - ナノキャリア株式会社
http://pdf.irpocket.com/C4571/SAip/TgvQ/AgH0.pdf