炎症性疾患などの治療薬となる注目の受容体
そーせいグループ株式会社は1月5日、同社の子会社Heptares社が、低分子アロステリックアンタゴニストに結合する補体C5a受容体(以下、GPCR)の構造解明に初めて成功したことを発表した。
GPCRは、補体系の一部で自然免疫反応に重要な役割を持ち、炎症反応促進作用を生じさせると言われている。
そのため、補体系の阻害剤は、敗血症、関節リウマチ、クローン病などの炎症性疾患や虚血再灌流障害の治療薬になる可能性があるとして、注目されている。
新たな選択的治療薬の創薬へ期待
また、C5aは、がんについても重要な役割を持ち、腫瘍微小環境における腫瘍細胞に対する作用や、血管新生、免疫細胞の調節に関係していることが知られており、最近ではアルツハイマー病などの神経変性疾患においても、C5aがどのような役割をしているかが判明しているという。
これまでもC5aリガンドに基づいたペプチド性アンタゴニストがあったが、副作用、製造コストなど幾つかの問題点が指摘されていた。
今回、創薬ターゲットであるC5aの高解像度X線結晶構造の解明に成功し、膜貫通ヘリックス束の外側に新しくアロステリックの結合部位が判明したことで、新たな選択的治療薬の創薬につながるとしている。
(画像はそーせいグループ株式会社HPより)

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