パーキンソン病診断のバイオマーカーに
順天堂大学大学院医学研究科(以下、順天堂大学)の研究グループは1月4日、パーキンソン病診断にカフェインとカフェイン代謝物がバイオマーカーとなることを発表した。
これまで、疫学的研究からカフェインの適切量摂取がパーキンソン病発症の予防になることが知られていたが、そのメカニズムは不明だった。
そのため、同グループは、実際にパーキンソン病患者の体内でどのようにカフェインが吸収され、代謝するかを調べることが、カフェインによる作用の解明につながるとして、パーキンソン病患者の血清を調査。その結果、パーキンソン病患者の血中カフェイン濃度の低下が認められたとしている。
カフェインとカフェイン代謝産物が明らかに低下
また、パーキンソン病患者と健常者から採血した血清から下流代謝産物10種の濃度を測定したところ、パーキンソン病患者群の血清では、カフェインとカフェイン直下代謝産物3種、その下流代謝産物6種が有意に低下していることがわかった。
さらにカフェインの分解に関わる遺伝子を調べると、パーキンソン病患者群と健常者群と有意な変化が認められなかった。
このことから、カフェインの分解促進での差はなく、吸収低下によって低濃度となっていると推察できたとしている。
同研究グループは、カフェインとカフェイン直下代謝産物3種と下流代謝産物6種を組み合わせることで、パーキンソン病診断のバイオマーカーとして、早期発見よる治療に役立つとしている。
(画像はプレスリリースより)

順天堂大学 プレスリリース
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