仏Poxel社より導入、試験も共同で実施
大日本住友製薬株式会社は、2017年12月27日、2型糖尿病治療剤の候補化合物「imeglimin」について、日本におけるフェーズ3試験を開始したと発表した。
「imeglimin」は、世界保健機関(WHO)によって新たな化合物クラスである「Glimins」として登録されている化合物。大日本住友製薬は、仏Poxel社より同化合物を導入しており、今回開始された試験もPoxel社と共同で実施している。
血糖降下作用に期待
「imeglimin」は、ミトコンドリアの機能を改善するという独自のメカニズムを有する。また、2型糖尿病治療において重要な役割を担う肝臓・筋肉・膵臓において、グルコース濃度依存的なインスリン分泌の促進と、インスリン抵抗性の改善および糖新生の抑制という作用を示す。そのため、血糖降下作用をもたらすことが期待されている。
また同化合物の作用機序は、血管内皮機能および拡張機能の改善作用などを有する可能性も示唆。この作用は、糖尿病により引き起こされる細小血管・大血管障害の予防につながるもの。こうした作用から同化合物は、2型糖尿病治療における血糖降下療法において幅広く使用される治療薬となる可能性があると考えられている。
2020年の新薬承認申請を目指して
「imeglimin」の日本におけるフェーズ3試験は、約1100人の2型糖尿病患者を対象とした3本の臨床試験から構成され、同化合物の有効性および安全性が評価する。試験のひとつであるTIMES1試験は、200例を超える日本人の2型糖尿病患者を対象として、2017年12月に患者登録が開始されている。
大日本住友製薬は、2020年に「imeglimin」の新薬承認申請を行うことを目指しているという。
(画像は大日本住友製薬の公式ホームページより)

2型糖尿病治療剤として開発中の「imeglimin」の日本でのフェーズ3試験開始のお知らせ - 大日本住友製薬株式会社
http://www.ds-pharma.co.jp/ir/news/pdf/ne20171227.pdf