尿1mLから、がんを特定する技術を発見
名古屋大学の研究グループは12月18日、九州大学・国立がん研究センター・大阪大学との共同研究で、尿1mLから、がんを特定する技術を発見した、と発表した。
尿中の細胞外小胞体を99%以上捕捉するナノワイヤ
大きさ40~5,000nmの細胞外小胞体に含まれるマイクロRNAは、全ての人の体液中に2,000種類以上存在し、マイクロRNA発現量ががん患者と非がん患者で異なっていると考えられている。
尿中の細胞外小胞体に内包されるマイクロRNAを解析できれば、非侵襲で簡便な疾病診断・健康診断法が可能となる。
研究グループは、尿中の細胞外小胞体は濃度が0.01vol%以下と極めて低いため、数10~100nmの大きさの一次元棒状ナノワイヤを用いて、細胞外小胞体を捕捉する新しい技術を開発した。
ナノワイヤは、尿中の細胞外小胞体を99%以上捕捉する新しい素材、酸化亜鉛である。従来技術では、マイクロRNAが200~300種類しか発見できなかったが、ナノワイヤでは1,000種類以上のマイクロRNAが尿中に存在することを世界で初めて発見した。
がん患者と非がん患者の尿を比較した結果、肺がん・すい臓がん・肝がん・膀胱がん・前立腺がんなどで、特異的に過剰・減少発現しているマイクロRNAを明らかにした。
今回の技術を活用すれば、尿から非侵襲でがん診断や特定が可能になる、とのこと。
(画像はプレスリリースより)

名古屋大学のプレスリリース
http://www.nagoya-u.ac.jp/