IMpower150試験において達成
中外製薬株式会社は、12月11日、「TECENTRIQ(atezolizumab)」と「AVASTIN」および化学療法の併用レジメンが、進行肺がん患者における病勢進行または死亡リスクを低下させたと発表した。
この発表は、スイス・ロシュ社が12月7日に発表したプレスリリースを翻訳したもの。中外製薬とロシュ社は、戦略的アライアンスを締結している。同併用レジメンの今回の成果は、第3相臨床試験であるIMpower150試験において達成されたもの。
「TECENTRIQ」と「AVASTIN」
「TECENTRIQ」は、PD-L1(programmed death ligand-1)と呼ばれるタンパク質を標的として、結合するよう設計されたモノクローナル抗体。PD-L1は、T細胞の表面上に見られるPD-1とB7.1の双方と相互作用することにより、T細胞の働きを阻害するという作用を持つ。「TECENTRIQ」はこの相互作用を阻害することで、T細胞が活性化させ、T細胞が持つがん細胞への攻撃する能力を回復させる。
「AVASTIN」は、血管新生における重要な因子VEGFを標的として、腫瘍の増殖と転移に不可欠な血液供給を遮断する作用を持つ薬剤。
1日でも早くがん患者へ届けたい
IMpower150試験において「TECENTRIQ」と「AVASTIN」および化学療法の併用レジメンは、「AVASTIN」および化学療法併用レジメン群と比較して、病勢進行または死亡リスクを38%減少させた。安全性プロファイルについても、これまでに各薬剤で認められているものと一致しており、新たな懸念は認められなかったとしている。
ロシュ社は同試験の結果を、肺がん治療における重要な進歩を示すものであるとして、この治療を1日でも早くがん患者へ届けたいとしている。
(画像は中外製薬の公式ホームページより)

TECENTRIQとAVASTINおよび化学療法の併用は進行肺がん患者の死亡リスクを38%低下 - 中外製薬株式会社
https://www.chugai-pharm.co.jp/