FDAよりCOPDについて長期維持療法の承認取得
大日本住友製薬株式会社の米国子会社サノビオン・ファーマシューティカルズ・インク(サノビオン社)は12月6日、「Lonhala Magnair」(ロンハラマグネア)について、米国食品医薬品局(FDA)より、慢性閉塞性肺疾患(COPD)による閉塞性換気障害の長期維持療法の承認を取得した、と発表した。
米国初のネブライザーを用いた長時間作用性ムスカリン受容体拮抗薬
COPDは、喫煙を主な要因とし、他の環境的な因子も関与する、気道・肺の異常により呼吸器症状や気流閉塞を発症する疾患である。
一般的に予防・治療が可能であるが、米国においては、患者数は成人約1,570万人、死亡者は年間12万人を超えており、死因の第3位に挙げられている。
「Lonhala Magnair」(販売名、一般名:グリコピロニウム臭化物)は、COPDを対象とした、米国初のネブライザー(吸入器)を用いて投与する長時間作用性ムスカリン受容体拮抗薬(LAMA)である。
また、ドイツのPARI Pharma GmbHにより、COPDの治療用に開発されたネブライザー「eFlow(米国販売名Magnair)」を使用する初めての製品となる。
「Magnair」は、患者が使用中普通に呼吸することができる、携帯型の静粛なネブライザーシステムで、2分~3分で薬剤を送達する。
FDAの承認は、3つのフェーズ3試験(GOLDEN-3、GOLDEN-4、GOLDEN-5)に基づいている。
主要評価項目である12週間後の努力呼気1秒量(FEV1)のトラフ値ベースラインからの変化量で、プラセボに対し統計学的に有意な改善を示した。また、臨床試験において良好な忍容性を示した。
サノビオン社は、2018年初めに同剤を発売する予定、とのこと。
(画像は大日本住友製薬株式会社のHPより)

大日本住友製薬株式会社のニュースリリース
http://www.ds-pharma.co.jp/ir/news/pdf/ne20171206.pdf