東京医科歯科大学と千葉大学の研究グループが発見
国立大学法人 東京医科歯科大学および国立大学法人 千葉大学は、12月4日、自己炎症性疾患の原因となるインフラマソーム活性化を制御する新たな分子機構を発見したと発表した。
この成果は、東京医科歯科大の鈴木敏彦教授と鈴木志穂助教、千葉大学真菌医学研究センターの笹川千尋センター長を中心とする研究グループが、東京大学などと共同で実施した研究によるもの。自己炎症性疾患に対する新規治療法につながることが期待される成果だという。
過活性化が自己炎症性疾患の原因となるインフラマソーム
インフラマソームは、自然免疫において異物認識および免疫応答に中心的な役割を果たしているタンパク複合体。その不必要な過活性化は、潰瘍性大腸炎・クローン病などの炎症性腸疾患や痛風など、種々の自己炎症性疾患の原因として広く知られている。
しかしその一方で、インフラマソーム活性が低下し過ぎると、病原体感染に対する免疫応答が正常に機能しなくなる。そのため、インフラマソーム活性を効率的にコントロールする方法および分子標的の探索は、重要となる。そして、インフラマソーム活性を制御する分子メカニズムの全容解明が喫緊の課題とされてきた。
新たなブレークスルーをもたらす可能性
同研究グループは今回、GLMNと cIAP1(cellular inhibitor of apoptosis protein 1)およびcIAP2が、インフラマソーム活性をコントロールする分子機構を解明した。
これら分子群の発見は、インフラマソームあるいはその下流のシグナルが原因となる自己炎症性疾患に対する新規治療法を確立する上で、新たなブレークスルーをもたらす可能性があると、同研究グループはしている。
(画像は東京医科歯科大学の公式ホームページより)

自己炎症性疾患の原因となるインフラマソーム活性化を制御する新たな分子機構の発見 - 国立大学法人 東京医科歯科大学
http://www.tmd.ac.jp/archive-tmdu/kouhou/