アテローム血栓症に関連する炎症へ大きく影響
ノバルティス ファーマ株式会社は、11月24日、「カナキヌマブ(ACZ885)」が第3相CANTOS試験において、サブグループ患者の心血管イベントのリスクを25%低下させたと発表した。
この発表は、スイス・ノバルティス社が11月13日に発表したプレスリリースを翻訳したもの。「カナキヌマブ」は、急性冠動脈症候群および心血管死の主原因であるアテローム血栓症に関連する炎症へ、大きく影響することが示唆されている薬剤。
IL-1βを選択的かつ高親和性に阻害
「カナキヌマブ」は、IL-1βを選択的かつ高親和性に阻害する作用を持つ。IL-1βは炎症性アテローム性動脈硬化症を継続的に進行させる炎症経路において、極めて重要なサイトカイン。同剤は、このIL-1βの作用を持続的に阻害することで、IL-1βの産生過剰によって生じる炎症を抑制する。選択的に炎症を標的とすることで心血管系イベントリスクを有意に低下させる、最初かつ唯一の開発中の治療法とされている。
CANTOS試験は、約6年間にわたり1万人以上の患者が参加した、ノバルティスの歴史の中でも最大規模かつ最長期間におよぶ試験。最初に発表された同試験のデータにおいて「カナキヌマブ」は、心筋梗塞の既往がある炎症性アテローム性動脈硬化症患者のMACEリスクを、15%低下させることを示した。
革新的な治療を患者へ届ける
今回スイス・ノバルティス社が発表したのは、「米国心臓協会2017年学術集会」において明らかにしたCANTOS試験の新たな解析。この解析において「カナキヌマブ」は、主要心血管イベントの発現リスクをプラセボ群と比べて25%低下させている。
ノバルティス社はこの解析結果を受け、「カナキヌマブ」による革新的な治療を患者へ届けたいとしている。
(画像はノバルティス ファーマの公式ホームページより)

カナキヌマブ、CANTOS試験において心血管イベントのリスクを25%低下 - ノバルティス ファーマ株式会社
https://www.novartis.co.jp/