「新しいタンパク質複合体」を発見
山口大学大学院(以下、山口大)は11月27日、東京大学分子細胞生物学研究所と連携で、世界で初めて、乳がんの腫瘍形成を抑制する「新しいタンパク質複合体」を発見したことを発表した。
がんは、DNA修復機能の低下によって起こると言われている。DNAは、細胞の遺伝子情報であり、日常的に損傷を受けることも、同時に修復することで安定が保たれていることが知られている。
また、細胞にはタンパク質の異常を修復する機構も供えていると言われており、山口大らのグループは、その1つと言われている熱ショック転写因子(以下、HSF1)と、DNA修復の鍵因子であるポリ合成酵素1(以下、PARP1)を結合させることのできるPARPが、PARP13であることを同定、確認することができたという。
新たながん治療薬の開発につながる可能性
同グループは、マウスを使って、この三者複合体を阻害する実験を実施。
その結果、がん抑制遺伝子で、変異を起こすと乳がんを引き起こすと言われているBRCA1変異乳がんの腫瘍形成が、顕著に抑制されることが、確かめられたという。
同グループは、このことから、この三者複合体を断ち切る新規化合物の開発が、新たながん治療薬の開発につながる可能性があるとしている。
(画像は山口大学医学部・大学院HPより)

山口大学医学部・大学院
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