肺癌は日本で3番目に多い
中外製薬株式会社は2017年11月21日のニュースリリースで、改変型抗PD-L1モノクローナル抗体「アテゾリズマブ」に関する、化学療法未施行のステージ4非扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)患者を対象とした第3相臨床試験において、主要評価項目の一つである無増悪生存期間(PFS)を統計学的に有意に延長したことを発表した。
もう一つの主要評価項目である全生存期間(OS)については、十分なイベント数に達していないが期待の持てる結果であることから、2018年の上期に次の解析結果が判明する予定とした。
今回の試験結果は、2017年12月にスイス・ジュネーブにて開催する欧州臨床腫瘍学会腫瘍免疫学シンポジウムで発表することになっている。
免疫チェックポイント阻害剤
アテゾリズマブは、腫瘍細胞または腫瘍浸潤免疫細胞に発現するPD-L1というタンパク質を標的としたモノクローナル抗体で、T細胞を抑制状態にしているPD-L1の結合を阻害し、T細胞が腫瘍細胞を攻撃することを促進させる働きがあると考えられている。
米国において、アテゾリズマブは、尿路上皮癌の二次治療や非小細胞肺癌などに対して承認され、欧州においても尿路上皮癌の一次治療などに対して承認を取得している。
日本では2017年2月に切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌について、厚生労働省に承認申請を実施している。
(画像は中外製薬株式会社のサイトより)

中外製薬株式会社ニュースリリース
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