コントロール不良の好酸球性重症気管支喘息治療薬
アストラゼネカ株式会社は、11月17日、生物学的製剤「FASENRA(ベンラリズマブ)」が、コントロール不良の好酸球性重症気管支喘息治療薬としての承認を米国食品医薬品局(FDA)より取得したと発表した。
この発表は、アストラゼネカ英国本社が11月14日に発信したプレスリリースを翻訳したもの。
好酸球に直接かつ速やかに作用する「FASENRA」
喘息患者の最大10%を占めるコントロール不良の重症気管支喘息は、死に至る場合もある疾患。患者は、頻回な症状増悪・呼吸機能の低下・QOLの著しい制限などを余儀なくされる。経口ステロイド薬への依存を引き起こす可能性もあり、全身性ステロイドの投与によって体重増加・糖尿病・骨粗鬆症など重篤な副作用を起こすこともある。
「FASENRA」は、好酸球に直接かつ速やかに作用し、24時間以内にほぼ完全に好酸球を除去する唯一の呼吸器疾患の生物学的製剤。好酸球は通常、身体免疫システムの一部を担っている。しかし重症喘息患者のおよそ半数では好酸球レベルが上昇し、喘息の重症化が引き起こされている。同剤は、好酸球上のインターロイキン-5受容体αに直接作用し、好酸球をアポトーシス(プログラム細胞死)へ誘導する。
年間喘息増悪率を大幅に低下させた
今回のFDAによる承認は、要第3相臨床試験であるSIROCCO試験とCALIMA試験、そして経口ステロイド薬の減量を評価した第3相臨床試験のZONDA試験を含むWINDWARDプログラムの結果に基づくもの。同プログラムにおいて「FASENRA」は、年間喘息増悪率を大幅に低下させ、呼吸機能も改善。経口ステロイド薬の投与量減量および服用中止も実現している。
なお同剤は、日本をはじめとする数カ国において現在、薬事承認審査が行われている。
(画像はアストラゼネカの公式ホームページより)

生物学的製剤FASENRA FDAの承認を取得 コントロール不良の好酸球性重症気管支喘息治療薬として - アストラゼネカ株式会社
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