医師主導治験を開始
日本医療研究開発機構(以下、AMED)は11月10日、北海道大学(以下、北大)で日本で初となる脳梗塞へ直接投与による再生医療製品を使用した治験を開始したことを発表した。
北大は2001年から骨髄幹細胞を用いた中枢神経疾患に対する研究を開始。
2012年に、厚生労働省から「革新的再生医療製品実用化促進事業」の支援を受け、さらに2015年にはAMEDからも「再生医療実用化研究事業」の支援を受けており、2017年1月に「脳梗塞急性期患者を対象とした自家骨髄幹細胞脳内投与による再生医療の医師主導治験」を提出していた。
脳梗塞は死亡や後遺症の残る重篤な疾患の1つ。その治療が困難と言われているのは、1度傷ついた脳神経組織を再生させる治療法がないためであり、発症から12時間以内の治療と慢性期以降のリハビリによる回復が重要となっている。
再生医療等製品の承認を目指す
北大では、これまでに骨髄間質細胞が脳内で生育、増殖することや脳梗塞部に直接投与することで、神経細胞に分化することなどを発表してきた。
今回、実施されるのは患者自身の骨髄間質細胞を培養増殖、脳に直接投与し、1年間にわたりその安全性を確かめる治験。すでに2017年8月に第1の症例となる患者への手術が終了し、6症例を目標にしているという。
また、今後は治験の結果を経て、再生医療等製品の承認を目指す予定。
(画像はプレスリリースより)

国立研究開発法人 日本医療研究開発機構 プレスリリース
https://www.amed.go.jp/news/release_20171110-01.html