滲出性加齢黄斑変性症を対象とした臨床試験
ノバルティスファーマ株式会社は11月14日、スイス・ノバルティス社が11月10日にヒト化一本鎖抗体フラグメントであるbrolucizumabの失明原因の1つである滲出性加齢黄斑変性症(以下、nAMD)を対象とした臨床試験の結果を発表したことを公表した。
ヒト化一本鎖抗体フラグメントは、分子量が小さく、組織への透過性に優れている構造を持ち、全てのVEGF-Aアイソフォームに高い親和性があり、強力に阻害する。
実施された2つの臨床試験(HAWK試験・HARRIER試験)は、nAMDの治療薬として使用されている分子標的治療薬アフリベルセプトを対照として、その効果を確かめる比較試験。nAMDは、眼内の異常血管から血液成分が漏れ出すことで損傷や失明を引き起こすと言われている。
12週間間隔での治療が可能
それぞれの薬剤を投与後16週時点で比較したところ、brolucizumab 6mg投与群では、アフリベルセプト投与群より、HAWK試験では35%、また、HARRIER試験では33%減少していることが認められたとしている。
また、眼や眼以外に起こる有害事象については、アフリベルセプトと同程度であったという。
ノバルティス社は、nAMD治療で行われている高頻度の眼内注射に比べ、brolucizumabは12週間間隔で維持できるとして、臨床的に大きな進歩であるとしている。
(画像はノバルティスファーマ株式会社HPより)

ノバルティスファーマ株式会社 プレスリリース
https://www.novartis.co.jp/news/media-releases/prkk20171114