米国腎臓学会腎臓週間2017で発表
協和発酵キリン株式会社は、11月6日、「バルドキソロンメチル(開発番号:RTA402)」の国内第2相臨床試験の結果を学会発表したことを明らかにした。
「バルドキソロンメチル」は、協和発酵キリンが米リアタ社から導入した低分子化合物。今回の発表は、米国腎臓学会腎臓週間2017において行われている。
腎機能を明確に改善することを示した
「バルドキソロンメチル」は、Nrf2を活性化する作用を持つ化合物。Nrf2は、体内の250以上におよぶ抗酸化因子および解毒因子の産生を調節する転写因子であり、その活性化は、細胞内の抗酸化因子の増加や炎症のシグナル経路を抑制し、組織を炎症から保護することにつながる。
今回結果が学会発表された同剤の国内第2相臨床試験は、2型糖尿病を合併する慢性腎臓病(CKD)を対象とした、多施設共同プラセボ対照無作為化二重盲検下比較試験として実施された。16週間反復経口投与した際の、有効性および安全性が評価されている。結果、同剤は腎機能を明確に改善することを示した。また、対象患者を適切に選ぶことで安全に使用できる可能性も示唆されている。
第3相臨床試験は2018年の開始を目指す
協和発酵キリンは2009年12月、「バルドキソロンメチル」の日本・中国・台湾・韓国・東南アジア諸国におけるライセンス契約を、リアタ社との間で締結している。協和発酵キリンは、より多くの患者を対象として同剤の有効性および安全性を検証する第3相臨床試験について、2018年の開始を目指しているという。
同社は今後も、ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、世界の人々の健康と豊かさに貢献するとしている。
(画像は協和発酵キリンの公式ホームページより)

バルドキソロンメチルの国内第2相臨床試験結果に関する学会発表について - 協和発酵キリン株式会社
http://www.kyowa-kirin.co.jp/