喘息および脳梗塞発作後の症状の治療薬
MediciNova社は、10月30日、進行型多発性硬化症を適応とする「MN-166(イブジラスト)」のフェーズ2b臨床治験(SPRINT-MS試験)に関して、学会発表の内容を明らかにした。
「MN-166」は、日本と韓国において1989年より、喘息および脳梗塞発作後の症状の治療薬として使用されている薬剤。この学会発表は、第7回ECTRIMS-ACTRIMSの合同学術集会において行われている。
神経症状を適応として開発を進めている
「MN-166」は、ファースト・イン・クラスの経口摂取可能な小分子化合物。ホスホジエステラーゼ-4および-10の阻害剤にして、マクロファージ遊走阻止因子(MIF)阻害剤であり、炎症促進作用のあるサイトカインを阻害する働きを有する。また、神経栄養因子を活性化する働きも認められており、グリア細胞の活性化減衰により神経症状を緩和することもわかっている。
MediciNova社は「MN-166」が持つこれらの作用が、ALSなどの神経変性疾患・各種依存症・慢性神経因性疼痛などに対する治療効果の根拠になると判断。進行型多発性硬化症・ALS・薬物依存をはじめとする神経症状を適応として、同剤の開発を進めている。
全脳萎縮の進行度をプラセボより48%抑制
今回学会発表が行われたSPRINT-MS試験は、一次進行型または二次進行型多発性硬化症患者を対象として「MN-166」またはプラセボを1日2回投与し、「MN-166」の安全性・認容性・有効性を比較評価するもの。
発表によると「MN-166」は、全脳萎縮の進行度をプラセボより48%抑制した。この進行抑制の達成は、同試験の成果としては重要な指標であると、MediciNova社はしている。
(画像はMediciNova社の公式ホームページより)

MN-166のフェーズ2b臨床治験に関して学会発表内容のお知らせ - MediciNova社
http://www.medicinova.jp/pdf/irnews/10302017_1.pdf