米国FDAに承認再申請
大塚製薬株式会社は2017年11月5日のニュースリリースで、米国腎臓学会(American Society of Nephrology)において、「トルバプタン」の常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)の患者を対象にした追加フェーズ3試験(REPRISE試験)の結果について発表した。
この本試験は米国でのトルバプタンのADPKD治療薬としての新薬承認再申請を目的とした追加試験で、主要・副次的評価項目ともに達成したことから、米国食品医薬品局(FDA)に再申請を実施した。
トルバプタンの展開
トルバプタンは、「水だけを出す利尿薬」という医療現場の要望を受け、大塚製薬が創製した選択的バソプレシンV2-受容体阻害剤である。
ナトリウムなどの電解質の排泄に影響を与えず、体内の余分な水のみを出すメカニズムを持つ水利尿薬として「サムスカ」の製品名で、2010年10月に「他の利尿薬で効果不十分な心不全における体液貯留」、2013年9月に「他の利尿薬で効果不十分な肝硬変における体液貯留」の効能・効果で承認を取得した。
また、水利尿作用とは別に、バソプレシンV2-受容体を介したcAMP産生の抑制によりADPKDの腎のう胞の増殖・増大を抑制する作用があることから、2014年3月に世界で初めて、難病である「ADPKDの進行抑制」の効能・効果で承認を取得した。
大塚製薬は、今後も世界中の未解決の医療ニーズを満たすため、患者やその家族に貢献できる研究開発を進めていくと述べている。
(画像は大塚製薬株式会社のサイトより)

大塚製薬株式会社ニュースリリース
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