2017年「欧州消化器病週間」において発表
武田薬品工業株式会社は、11月2日、潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「Entyvio」の最新データを、2017年「欧州消化器病週間」において発表したことを明らかにした。
同学会は、スペイン・バルセロナにおいて10月28日から11月1日にかけて開催されたもの。武田薬品は「Entyvio」について、実臨床下での安全性に関するシステマティック・レビューなどを発表している。
正確な原因は未だ解明されていない
潰瘍性大腸炎およびクローン病は、消化管内壁の炎症を特徴とする疾患。潰瘍性大腸炎は大腸(結腸および直腸)のみにおいて発現し、クローン病は消化管内部のあらゆる部位で炎症を引き起こす。どちらの疾患も、外的な環境要因および遺伝子や体内の免疫システムとの相互作用が発症を誘引すると、多くの研究者が指摘している。しかし、正確な原因は未だ解明されていない。
「Entyvio」は、ヒト化α4β7インテグリンモノクローナル抗体。α4β7インテグリンは、潰瘍性大腸炎やクローン病における炎症発生プロセスに関与するとされる循環白血球のサブセットに発現する分子。細胞接着分子に結合することで、炎症反応を惹起する作用を持つ。「Entyvio」はこのα4β7インテグリンに特異的に結合し、細胞接着分子への結合を阻害。特定のリンパ球が消化管細胞へ浸潤することを、阻害する。
複数の研究データを発表
武田薬品が今回「欧州消化器病週間」において発表したデータには、潰瘍性大腸炎またはクローン病における「Entyvio」の実臨床下での安全性に関するシステマティック・レビューおよびメタアナリシスや、炎症性腸疾患患者を対象とした免疫抑制治療の実臨床データなど、複数の研究データが含まれる。
(画像は武田薬品の公式ホームページより)

2017年欧州消化器病週間における「Entyvio」の最新データの発表について - 武田薬品工業株式会社
http://www.takeda.co.jp/news/2017/20171102_7863.html