VBL社が所有する遺伝子治療薬「VB-111」
ナノキャリア株式会社は、11月6日、遺伝子治療薬「VB-111」に関する国内ライセンス契約を、イスラエルVBL社との間で締結したと発表した。
「VB-111」は、VBL社が所有する遺伝子治療薬であり、現在は米国を中心に第3相臨床試験などが実施されている。ナノキャリアが今回締結したのは、日本における同剤の独占的な開発・販売権に関するサブライセンス付きライセンス契約。
いかなる固形がんに対しても有効性を発揮する可能性
VBL社は、2000年に設立されたイスラエルのバイオテクノロジー企業。ファーストインクラスの遺伝子治療薬である「VB-111」を、主力製品としている。
「VB-111」は、非増殖型の5型アデノウイルスベクターを用いた2つの構成要素からなる遺伝子治療薬腫瘍血管をターゲットとする特異的な遺伝子発現制御配列により、腫瘍の維持・増殖に必須である新生血管の内皮細胞を選択的にアポトーシスに誘導する遺伝子を発現させ、その結果として、抗腫瘍効果を発現する。静脈注射により全身投与をするため、いかなる固形がんに対しても有効性を発揮する可能性があるとされている。
2つの異なるメカニズムによる薬をパイプラインに
腫瘍血管を標的とする「VB-111」は、がんを兵糧攻めにする作用を持っている。一方、ナノキャリアが保有するミセル化ナノ粒子製剤は、腫瘍細胞を標的とする。同社は、2つの異なるメカニズムによる治療薬をパイプラインに持つことにより、がん領域全般での地位を確立するという。
同社は、今回のライセンス契約によりVBL社との間でシナジーが発揮され、さらなる画期的新薬が開発される可能性もあると、期待している。
(画像はナノキャリアの公式ホームページより)

VBL社の画期的な遺伝子治療薬に関する国内ライセンス契約締結のお知らせ - ナノキャリア株式会社
http://pdf.irpocket.com/C4571/Rt66/paqe/JMc3.pdf