第3相臨床試験のサブグループ解析
日本イーライリリー株式会社は、10月27日、血管新生阻害薬「サイラムザ」の第3相臨床試験のサブグループ解析にて、急速に進行する進行非小細胞肺がんにおける同剤のベネフィットが示されたと発表した。
この発表は、10月16日に米国リリー社が発表したプレスリリースを翻訳したもの。リリー社はこのサブグループ解析の結果を、第18回世界肺がん学会にて発表している。
がん死亡の主要原因となっている肺がん
肺がんは、米国や他のほとんどの国々において、がん死亡の主要原因となっている疾患。中でも非小細胞肺がんは、他の肺がんよりもはるかに多くみられ、肺がん症例全体の約85%を占める。一次治療を施行した転移性非小細胞肺がん患者の約半数は二次治療に移行するが、治療法は限定されており、新たな二次治療の選択肢が求められていた。
「サイラムザ」は、血管内皮増殖因子(VEGF)受容体2拮抗薬。VEGF受容体2へ特異的に結合することで、VEGF受容体リガンドのVEGF-A・VEGF-C・VEGF-Dの結合に競合し、VEGF受容体2の活性化を阻害する。既に完了している同剤の第3相試験では、胃がん・結腸直腸がん・非小細胞肺がんにおけるベネフィットが実証された。
全生存期間と無増悪生存期間について有効
「サイラムザ」の第3相臨床試験であるREVEL試験では、非小細胞肺がん患者を対象として「ドセタキセル」と併用した「サイラムザ」の評価が行われた。今回発表されたサブグループ解析は、一次治療中にがんが急速に進行した患者に焦点を当てたもの。
同解析において「サイラムザ」「ドセタキセル」併用群は、プラセボと「ドセタキセル」の併用群よりも、全生存期間と無増悪生存期間について有効性を示したという。
(画像は日本イーライリリーの公式ホームページより)

サイラムザ 急速に進行する進行非小細胞肺癌患者へのベネフィットが示される - 日本イーライリリー株式会社
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