大村特別栄誉教授がいる北里大学
学校法人北里研究所と大日本住友製薬株式会社は、10月24日、薬剤耐性(AMR)菌感染症治療薬の創製を目的とした共同研究契約を締結したと発表した。
この共同研究では、2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞した北里大学・大村智特別栄誉教授の創薬グループと、大日本住友製薬の研究グループが、創薬研究に取り組む。
世界的な問題となっている耐性菌
AMRは、細菌やウイルスなどの微生物による感染症に対して、特定の種類の抗菌薬や抗ウイルス薬などの効果が減弱する、または無効になることを指す。耐性を持った細菌やウイルスが増殖すると、治療薬は効果を示さなくなる。そのため、適切に治療すれば軽症で回復できた感染症の治療が、困難化あるいは重症化しやすくなる可能性が高まる。
現在、抗菌薬に対する耐性菌の出現および蔓延は、世界的な問題となっている。このまま対策が取らなかった場合、2050年までに薬剤耐性菌の感染症により年間1000万人が死亡し、経済損失は100兆ドルに達するという。世界保健機構(WHO)を中心に、国家・国際レベルでの対策が必要とされている。
画期的な抗感染症薬の提供を目指す
北里研究所は、感染症研究において伝統と実績を持つ。現在も大村特別栄誉教授のもとで、独創的な抗感染症薬の創製を目指している。また大日本住友製薬は、世界的に汎用されているカルバペネム系抗生物質製剤「メロペン」を創出した実績を持つ。感染症領域の研究開発においては、蓄積された知見を誇る。
両者は今回の共同研究を通じて、従来にない独創的なアプローチを用いて、画期的な抗感染症薬の提供を目指すとしている。
(画像は大日本住友製薬の公式ホームページより)

薬剤耐性(AMR)菌感染症治療薬の創製を目的とした共同研究の実施について - 大日本住友製薬株式会社
http://www.ds-pharma.co.jp/ir/news/pdf/ne20171024.pdf