日本国内における患者数は約1200名
ノバルティス ファーマ株式会社は、10月25日、「イラリス皮下注用150mg」について、全身型若年性特発性関節炎(SJIA)の治療薬として効能追加の承認申請を行ったと発表した。
SJIAは、紅斑・全身性リンパ節腫張・肝脾腫・漿膜炎といった全身症状を伴う関節炎。日本国内における患者数は、約1200名と推定されている。
関節炎により成長障害を来す場合もある
SJIAの関節炎は、小関節から大関節まで広範囲にわたり、痛みや腫れによる動作制限を伴う。また、1~2週間以上にわたって発熱も続く。
同疾患は、1歳から5歳が発症年齢のピークとされており、関節炎により成長障害を来す場合もある。また、発熱や発疹など全身性の炎症症状が、就学などの社会生活にも影響を及ぼす場合もある。
SJIAに対する主要な治療薬はステロイド剤だが、十分な効果が認められない場合には生物学的製剤の投与も検討される。日本国内でSJIAに対して承認されている生物学的製剤は、「トシリズマブ」のみ。新たな治療選択肢が期待されていた。
日本小児リウマチ学会より要望書が提出された
「イラリス」は、炎症性サイトカインの一つであるヒトインターロイキン(IL)-1βに対する遺伝子組換えヒト免疫グロブリンG1モノクローナル抗体。IL-1βに結合し、その活性を中和することで、炎症を抑制する。
同剤は2013年、SJIAに対する開発について日本小児リウマチ学会より要望書が提出され、臨床開発が開始された。2017年3月には、希少疾病用医薬品の指定も受けている。
(画像はノバルティス ファーマの公式ホームページより)

「イラリス」、全身型若年性特発性関節炎の治療薬として効能追加の承認申請 - ノバルティス ファーマ株式会社
https://www.novartis.co.jp/news/media-releases/prkk20171025