グリコサミノグリカンがコラーゲン分解を調節することを発見
弘前大学大学院医学研究科(以下、弘前大)は10月26日、骨の主要な有機成分であるグリコサミノグリカンがコラーゲン分解を調節することを発見したことを発表した。
グリコサミノグリカンは、多糖類の1種で、肌の真皮層に多く含まれ、水分を保つ働きを持つ。また、軟骨を構成するプロテオグリカンは、グリコサミノグリカンとタンパク質の複合体であり、重要な成分であると言われている。
また、コラーゲンもグリコサミノグリカンと同様に、真皮層に多く含まれ、骨や軟骨を構成するタンパク質の1種であり、これまで、グリコサミノグリカンとコラーゲンの分解酵素であるカテプシンKの相互作用についてはわかっていたものの、どのように作用するのかが不明だった。
骨粗鬆症の治療薬の開発につながるとして期待
今回、弘前大の研究グループは、コラーゲン繊維は、酸性ペーハー下では、溶けてしまうが、グリコサミノグリカン存在下では、溶けることはなく、線維構造を維持していることから、酸性条件下で、硫酸化グリコサミノグリカンがコラーゲン繊維に結合して、耐酸性コラーゲン繊維を形成することを発見。
また、ペーハー4では、耐酸性コラーゲン繊維は分解しなかったが、ペーハー5では分解が促進。グリコサミノグリカンがコラーゲン分解を調節する可能性を示したとしている。
弘前大では、研究が進めば新しい骨粗鬆症の治療薬の開発につながるとして、今後仮説の検証を行うとしている。
(画像は弘前大学HPより)

弘前大学 プレスリリース
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