EGFR変異陽性NSCLCの一次治療として指定
アストラゼネカ株式会社は、10月18日、第3世代不可逆的EGFR阻害剤「タグリッソ」が米国食品医薬品局(FDA) より画期的治療薬に指定されたと発表した。
この発表は、アストラゼネカ英国本社が10月9日に発表したプレスリリースを翻訳したもの。「タグリッソ」は今回、上皮成長因子受容体 (EGFR) 変異陽性の転移性非小細胞肺がん (NSCLC) 患者の一次治療として指定された。
2次変異を標的とする薬剤
NSCLC患者のうちEGFR変異陽性の患者は、欧米では10%から15%、アジアでは30%から40%を占める。
同疾患は、既存のEGFR-TKIによる治療に対して、非常に高い感受性を示す。しかし腫瘍はほとんどの場合、薬剤耐性を生じ、その結果として病勢が進行する。既承認のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤「ゲフィチニブ」あるいは「エルロチニブ」による治療では、患者の約半分において2次変異であるT790Mによる薬剤耐性が発生していた。
「タグリッソ」は、病勢進行につながるこの2次変異を標的とする薬剤。EGFR感受性変異およびEGFR T790M耐性変異の両方を阻害し、中枢神経系転移に対する臨床活性を発揮するよう設計されている。
2倍近い無増悪生存期間を達成
今回の「タグリッソ」に対する画期的治療薬指定は、第3相FLAURA試験の結果に基づき付与された。同試験では、転移性EGFR変異陽性のNSCLC患者において、「タグリッソ」と標準治療であるEGFRチロシンキナーゼ阻害剤による治療を比較。「タグリッソ」は、2倍近い無増悪生存期間を達成したという。
アストラゼネカ英国本社は今回の指定について、同疾患の患者に対して新たな希望を提供する可能性を有するものであるとしている。
(画像はアストラゼネカの公式ホームページより)

タグリッソ、EGFR変異陽性非小細胞肺がんの一次治療として画期的治療薬に指定 - アストラゼネカ株式会社
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